【医学部学士編入】合格体験記のすゝめ

こんばんは。なぐーです。

今回は「合格体験記のすゝめ」と名付け、受験(特に学士編入試験)を終えられた方へのメッセージです。

趣旨はただ1つ、過去の試験に合格した方、今年の試験で試験で合格を掴み取ることが出来た方には、合格体験記を作成することを強く勧めます

なぜ書くべきなのか?そして書くときのポイントなども含めて、私の考えをお伝えします。

目次

体験記を書くべき理由

受験生への情報として

合格体験記を書くことを勧めるの最大の理由は、未来の受験生にとって有益であるからです。

学士編入試験は間違いなく情報戦です。一般受験と比べて受験者も合格者も少なく、合格基準もブラックボックスであることが多いため、受験生全員の体験記に大きな価値があります。さらに、予備校に通わない場合、合格体験記は受験情報を手にいれるためのほとんど唯一の手段になります。

あなたが学士編入試験を志した頃を思い出してください。医師になりたい、と感じるきっかけがあり、医学部学士編入学制度の存在を知り、「学士編入 合格体験記」などと検索して誰かの体験記を閲覧したはずです。

当時の私の検索履歴は「学士編入」+「勉強法」「体験」「薬剤師」などで埋まっていたような気がします。

合格体験記を読み、モチベーションが湧いた方、勉強方法を参考にした方、中には「自分には難しいかもしれない」と不安に思った方もいるかもしれません。

感情の動きは人によりますが、「先人の成功者の具体例を示す」という意味で体験記には大きな価値があります。先人の具体例を知らずに「自分も挑戦しよう」と考えられる人はそう多くはないでしょう。成功可能性を試算することが出来ないからです。

基本的に、合格者はこの価値を多少は享受しているはずです。完全独学・誰の体験記も参考にすることなく合格した、という方はいないと思います。綺麗事かもしれませんが、受けた恩恵を自分より下の世代に引き継いで、情報発信の循環を作っていけると良いと思っています。

学士編入という少数枠の制度で合格している以上、この制度を受験する人を応援したいです!

初志を思い出す材料として

できる限り記憶が新鮮なうちに記録を残すことは、自分のためでもあります。

学士編入試験を乗り越えたという事実は今後も変わることはありません。しかし、合格したという喜びの感情は時間が経つにつれて風化してしまうものです。忘却は人間の防衛機構の一部ですから、これは仕方のないことです。

この感情を体験記として残すのは、医学部に目指した入った際の初志を忘れないためです。

私は医学部に入って間もないですが、既に暗記の多さに驚いています(詳しくは下の記事から)。

あわせて読みたい
【医学生】初めての医学部の試験を終えて 医学部に入学して、学習の面で気づいた点をお伝えします。

今後勉強などを続けていくうちに心が折れそうになるタイミングが来るかもしれません。というよりも、

  • 図書館で夜中まで勉強している先輩の姿
  • 朝から夕方まで詰まった授業カリキュラム
  • 散見される「医学部やめたい」ツイート
  • (医師という職業に関する、将来の不穏な動き)

このようなものを見ている限り、医学生の5年間で何度もそのようなタイミングがあると予測されます。

初志を書き残しておくことは、挫けそうになった際に立ち上がるための起爆剤となります。

自分の発信基地として

これは学士編入について情報発信をしたい方向けの理由になります。私が受験生だった時に感じていたことですが、学士編入について情報発信をするのであれば、合格体験記を書いていると信憑性がぐっと上昇するように思います。

もちろん受け手による情報の吟味は必須です。

合格体験記には、程度の差はあれど個人情報が含まれます。個人情報がある程度開示している場合、誤った情報を発信した際のリスクが大きくなります。従って、できる限り正しい情報を発信しようという動機が生まれる他、仮に誤情報を流した場合にも、修正する浄化作用が働きやすいと思われます。

体験記を経由して自分のことを知ってくれる方も増えるため、合格体験記は情報発信を続けていくための物理的・心理的な基地になりうると考えています(私が今文章を書いているのはその意味もあります)。

合格体験記執筆のポイント

自分にしか書けない生きた情報を

先述の通り、合格体験記の役割は「先人の成功例を示す」ことです。

「生きた情報」になるために、注意した方が良いと思う点をいくつか列挙します。

自分の立場を明確にすること

学力の背景や社会人歴の有無などを可能な限り記すことは重要です。

学士編入試験の倍率は概ね10-20倍であり、合格者よりも辛酸を嘗める方が多いのです。従って、体験記に強烈な生存者バイアスがかかります。しかし、これを除こうとすると中身がスカスカになってしまいます。

生存者バイアスを少しでも緩和する手段の1つは、読み手が自分の背景と執筆者の背景とを比較することです。これを可能にするためにも立場を記載することは重要です。

無理に一般論を書こうとしない

先ほども書きましたが、合格者はマイノリティです。したがって「〇〇をすれば必ず合格できる」などの一般的な法則を導くことは困難どころか不可能です。書くことができるのは以下のような個人の体験と、そこから導かれる考察です。

  • 「〇〇という参考書をXXのように使用したら成績がYY上がった」
  • 「面接でZZという質問に対してAAと回答したらBBという反応であった」

読み手はこのような数多くの「主観的な体験と考察」から各人に合った戦略を探します。無理に一般化する必要はありませんし、主観的な記載の方が誠実であるとも言えます。

成功談だけでなく失敗談を

世の中に成功談は多く語られますが、失敗談は語られません。当然ですが書く側が苦しいからです。

しかし、学士編入のように合格者が少なく、合格基準が曖昧な試験においては「不合格体験記」「失敗談」にも大きな価値があります

合格体験記を書ける精神的余裕があれば、受験時の失敗エピソードや克服方法併願校の不合格体験記とその反省も残すことができるはずです。

失敗エピソードと成功談が混じった体験記こそ、真に生きた情報であり、読み手としても吟味する価値が高いのだろうと考えます。

執筆の媒体選び

執筆の媒体は様々です。主なものとしてはNote、ブログ、書籍などがあり、私の感触としてはNoteが多数派であるように感じます。

以下に各媒体の特徴の簡単な比較表を載せておきます。どの媒体も一長一短ですので、自分に合うものを選ぶのが良いと思います。

Noteブログ書籍(電子含む)
開始のハードル低い
・アカウント登録のみ
中程度
・サーバー契約
・ドメイン取得
高い
・商業出版は出版契約
・自費出版は高コスト
初期費用無料無料〜少額
・高くても数万円程度
商業出版は無料
自費出版は高額
情報発信の速度速い
・執筆後即公開
・情報更新が容易
速い
・執筆後即公開
・情報更新が容易
遅い
・執筆から半年程度
・後から更新不可
広告のスムーズさ良い
・SNSとの連携◎
良い
・SNSとの連携◎
悪い
・購入のハードルあり
・SNSとの連携△
短期的な収益性高い
・有料Noteの販売
低い
・広告収入
低い
・印税
永続性低い
・Noteのサービス継続次第
高い
・独自ドメインは半永久的
高い
・紙媒体で残る(唯一無二の利点)
合格体験記の執筆方法比較

迷ったらハードルの低いNoteが良いのではないかと思います!

合格体験記が書籍になりました

ここまで、合格体験記の執筆価値とそのポイントについて述べてきましたが、私の場合はこのブログの他に、合格体験記を「出版する」という方法を選びました。

2021年6月に、エール出版社(http://www.yell-books.com/)という受験関連本を取り扱う出版社様から商業出版するご機会をいただきました。

実は昨年11月、全国の令和3年度医学部学士編入生を集めたグループを発起したのですが、そのグループ内で集まった有志10名によって共著、出版に辿り着きました(一緒に執筆した9名には本当に感謝しきれません)。

先ほどの「合格体験記のポイント」を踏まえ、成功談も失敗談、独自データまで詰め込んだ自慢の1冊です

さらに、医学部学士編入を志す方に向けの合格体験記だけでなく、学士編入を経験した現役医学生・現役医師にもインタビューしているため、読み物としても面白いものに仕上がったのではないかと考えております。

【⽬次】

第1章:医学部学⼠編⼊のイロハ

第2章:2021 年合格者 受験ノウハウ集

第3章:医学部学⼠編⼊、合格後の歩み

第4章:これから医学部学⼠編⼊を志すあなたへ

付録1:徹底対談!医学部編⼊のリアル

付録2:(参考)2021 年度医学部学⼠編⼊試験カレンダー

医学部学士編入試験の教科書 合格者10名による完全解説(目次)

少しでも興味があれば、ぜひお手に取っていただけると嬉しいです!(以上宣伝でした笑)

いずれ、この執筆に込めた想いや出版までの流れについてもブログに残そうと思います。

まとめ

・合格体験記は受験生に有益であるだけでなく、自分のためにもなる
・執筆の際には「生きた情報」になる工夫を
・媒体はNote、ブログ、書籍などの手段があり、一長一短

学士編入試験を経験された方へ伝えたいこと。成功談も失敗談も含めて、あなたの体験は非常に価値があります。ぜひ発信してください。

特に今年合格された方は、進学まで少し時間があると思いますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

この記事を読んだ皆さんの体験記を読むことができる日を楽しみにしています。

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